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労働基準監督署から残業代の支払いを命じられた(3)
「労働基準監督署から6カ月の残業代の遡及払いを命じられました。
どうしたらいいでしょうか・・・」
「6カ月分というといくらくらいになりますか?」
「3000万円ほどになります」
「3000万円ですか。結構、大きな額ですね」
「正直、厳しいです。何とかならないでしょうか?」
これは東京新宿区で繊維業を営むB社と交わした会話です。
B社では社員に残業代をまったく支払っていませんでした。労働基準監督署の調査によってこのことが発覚し、6カ月分遡って残業代を支払うことと、今後、きちんと残業代を支払うよう是正勧告が出されました。
「このような問題は社労士さんでも、どうにもならないんですか」
そのように聞かれたので、
「そんなことはありません。なんとかやってみます」
と、答えて、この会社の是正勧告の処理を委託されました。
このような場合、気をつけなければならないのは法律に抵触しない方法で残業代の遡及払いを処理することです。幸いB社では就業規則が作成されていたので就業規則の条文を根拠に、法律に抵触しない方法で残業代の一部を軽減することができました。また、社員の協力を得ることで、合計600万円ほど残業代の未払い額を減らすことができました。
次に、今後、支払っていかなければならなくなった残業代ですが、これについてはB社の経営状態から「定額残業制」を導入することにしました。
「定額残業制」とは、30時間分の残業代を給料に含ませるという制度で、これを導入すると30時間分の残業については、新たに割増賃金を支払わなくてよくなります。さらに、この定額残業制に「出勤簿の自己申告制」を組み合わせることで、大幅に残業代が削減できるようになりました。
B社では、通常20人で月1000時間ほど所定労働時間を超えた労働が行われていますが、以上のような残業対策を施したおかげで、残業代の支払いは600時間程度で済むようになっています。
●新宿区B社、社長の言葉
労働基準監督署の是正勧告を受けてさまざまな専門家に相談しました。中には会社に来てくださる方もいましたが、「遡及払い」のことに話しが及ぶと「きちんと支払ってください」と言われるだけで少しでも軽減しようという姿勢の人はいませんでした。また今後の残業対策についても微々たる調整しか提示してもらえなく困っていました。しかし、法律を駆使すれば合法的な方法で、ここまで残業対策ができることを今回実践できて本当によかったと思っています。「大企業でもこのような方法で遡及払いの軽減と残業対策をしているんですよ」と言われ、安心して対策に取り組めました。 |
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