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●是正勧告の事例
許可のない残業に
手当を払わない。
●是正勧告・事例の詳細
I社では、社員10名が商品開発に取り組んでいる。残業は許可制としており、許可のない残業は認めていなかった。しかし、実態を見てみると社員に与えられた仕事は所定労働時間ではとても終わらない量で、日常的に残業が行われていた。会社の対応としては一部の残業については許可しているものの、多くは無許可で残業をさせていたため割増賃金の支払いはなく、この点が労働基準監督署に指摘され、是正勧告を受けることとなった。
●是正勧告書の内容
| 法条項等 |
違反事項 |
是正期日 |
労働基準法
第24条 |
所定労働時間を超えて使用した労働者に対し、超過時間分の賃金を支払っていないこと。 |
20・6・11 |
●なぜ是正勧告を受けたのか?
残業を許可制にした場合、原則として許可のない残業は、残業とはなりません。しかし、その仕事量が所定の勤務時間内にこなせないような場合、超過勤務の黙示的指示があったものとして、残業とみなされてしまいます。
このとき判断に困るのは同じ量の仕事を2人に与えたとき、一人は所定労働時間内に終わるのに、もう一人は終わらないというケースです。しかし、この場合でも、結果として所定労働時間外に労働させれば残業代を支払わなければなりません。経営者側から見れば納得できない部分もありますが、いまの労働基準法では、能力による仕事のスピードの違いは、昇給や賞与で差をつけるしかないのです。
残業を許可制にした場合、前述したように許可のない不必要な労働に対して残業代を支払う必要はありませんが、そのような状態が続くと、それに対しても残業代を支払うよう是正勧告が出されてしまうことがあります。使用者には社員の労働時間を管理する義務があり、不必要だと判断した場合は仕事をやめさせなければならないからです。それを見ぬふりをしてやらせていれば、それは必要な労働だったと判断され、黙示的指示があったとみなされます。
このように労働基準法は、労働者に有利になるようにできています。ですから是正勧告を受けてしまったものは仕方ないので、すみやかに支払いを済ませ、今後の残業対策に力を入れていったほうが得策です。
残業対策には「定額残業制の導入」や「1カ月単位の変形労働時間制」などいろいろな方法があるので、一度、検討してみることをおすすめします。
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●是正報告書の書き方
是正勧告の指摘箇所
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是正報告書の記載例 |
〔無許可の残業に手当を支払っていない〕
所定労働時間を超えて使用した労働者に対し、超過時間分の賃金を支払っていないこと。 |
〔是正報告書の書き方〕
ご指摘のありました労働者の未払い賃金につきましては、5月30日に別添の領収書の写しのとおり支払いましたので報告いたします。
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