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●是正勧告の事例
管理職に残業代を
支払っていない。
●是正勧告・事例の詳細
I社では、資材管理部の山田太郎を第2営業部・課長に任命した。この会社では課長以上は管理監督者としているため山田太郎を割増賃金の支払い対象から除外し、残業代を支払わない代わりに役職手当30000円を支払うこととした。ところが交替労働制で深夜に働くことの多い山田太郎の賃金は、以前より減ってしまい、このことに不満を持った山田太郎は労働基準監督署に訴え、労基署の調査が始まった。すると「深夜業に対する残業代を支払わないのは法違反」と認定され、是正勧告が出された。
●是正勧告書の内容
| 法条項等 |
違反事項 |
是正期日 |
労働基準法
第37条 |
労働者山田太郎の深夜労働に対し、割増賃金を支払っていないこと。 |
20・6・11 |
●なぜ是正勧告を受けたのか?
管理監督者については、確かに割増賃金を除外してかまいません。それは労働基準法によって「監督または管理の地位にある者は労働時間、休憩、休日に関する規定を除外する」という特例が認められているからです。
ところが、これは時間外労働・休日労働における割増賃金であって、深夜業については、管理監督者であっても適用除外とはならないのです。
深夜とは午後10時〜午前5時のこと。また深夜労働に対する割増賃金の率は2割5分増です。つまり山田太郎に対する賃金の扱いは、深夜労働については2割5分増し、それ以外の時間については割増賃金を支払わないでよいということになります。
ただ、この事例の場合、役職手当30000円という額が少し低いように思われます。行政通達にある管理監督者の定義を見ながら解説しましょう。
行政通達でいう管理監督者とは・・・
1.経営方針の決定に参画し、または労務管理上の指揮権を有している
2.勤務時間について自由裁量を有する地位にある
3.賃金について一般労働者に比べて優遇措置が講じられている
・・・このようなことを総合的に見て管理監督者かどうかが決まります。
ところが山田太郎の場合、課長に昇進したのはいいものの残業手当がなくなったため、賃金全体の額が下がってしまっており、「賃金について一般労働者に比べて優遇措置が講じられている」とはいえないからです。今回は深夜労働に対する支払だけで済みましたが、次に調査があったとき労働基準監督署の監督官は山田太郎を管理監督者とは認めず、一般の労働者と同じようにふつうの時間外労働・休日労働に対しても割増賃金を支払うよう命じてくるかもしれません。そうなれば過去2年分まて遡及して割増賃金を支払わなければならなくなります。
ですから役職手当は、それまでの残業手当を補填する額に設定するべきなのです。役職手当を30000円で据え置くなら、基本給を上げるなり、賞与で優遇するなり、賃金として何らかの優遇措置を講じましょう。
なお是正勧告の対応としては、山田太郎の深夜労働に対する割増賃金を計算し、期日を指定して本人に支払います。また労働基準監督署に報告するときは、是正勧告書に領収証を添えるといいでしょう。
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●是正報告書の書き方
是正勧告の指摘箇所
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是正報告書の記載例 |
〔管理職に残業代を不払い〕
労働者山田太郎の深夜労働に対し、割増賃金を支払っていないこと。 |
〔是正報告書の書き方〕
労働者山田太郎の深夜労働に対する割増賃金の不払いにつきましては、平成20年3月〜6月までの不足額を計算し、7月30日に45000円を支払いました。領収証の写しとともに報告します。
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