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●是正勧告の事例
深夜労働の割増賃金を
払っていない。
●是正勧告・事例の詳細
H社の労働時間は午前9時〜午後6時だが、残業をすることが日常化しており、繁忙期などは残業が深夜12時をすぎることもあり、タクシーや終電で社員が帰ることも珍しくなかった。労働基準法では午後10時以降の労働は深夜業となっており、通常より多くの割増賃金を支払わなければならないとしているが、H社ではそれを知らなかったために、通常の時間外労働と同じ2割5分増しの割増賃金を支払っていた。これが労働基準監督署の調査で指摘され、是正勧告を受けることとなった。
●是正勧告書の内容
| 法条項等 |
違反事項 |
是正期日 |
労働基準法
第37条第3項 |
労働者の深夜労働について、2割5分の割増率を載せて計算していないこと。 |
20・6・11 |
●なぜ是正勧告を受けたのか?
深夜業とは、午後10時〜午前5時までの労働をいいます。この時間帯の労働については、通常の時間外労働の割増率(2割5分増)で計算した賃金を支払っただけでは足りず、さらに2割5分を加算した割増賃金を支払わなければならないこととなっています(労働基準法第37条第3項)。
したがってH社については午後10時以降の労働について通常の割増率2割5分に、さらに2割5分を加算した5割増しの割増賃金が必要だったわけです。それを2割5分の割増率で計算した残業代しか支払っていなかったため是正勧告が出されました。
残業に対する割増率については誤解も多いので、下に正確な数値を記しておきます。
時間外労働の場合・・・・・・・2割5分増しの賃金を支払う
休日労働の場合・・・・・・・・3割5分増しの賃金を支払う
時間外労働+深夜業の場合・・・5割増しの賃金を支払う
休日労働+深夜業の場合・・・・6割増しの賃金を支払う
このように通常の時間外労働または休日労働が「深夜」におよんだ場合、プラス2割5分の割増率が加算され、割増賃金の額が一気にあがります。ですから、残業をさせてもその時間がなるべく深夜におよばないよう会社が指導していくべきでしょう。また就業規則や賃金台帳で深夜労働についてのルールや割増率などを記しておくことも、こういうミスをなくすポイントです。
なお是正勧告への対処法としては、まず社員に支払われなかった深夜労働に対する割増賃金を過去(労基署が指示する遡及期間)にさかのぼって計算し、不足分を支払います。そして賃金台帳の写しと、領収証を是正勧告書に添えて労働基準監督署に届出ればそれ以上問題を追及されることはないはずです。
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●是正報告書の書き方
是正勧告の指摘箇所
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是正報告書の記載例 |
〔深夜労働の割増賃金を払っていない〕
労働者の深夜労働について、2割5分の割増率を載せて計算していないこと。 |
〔是正報告書の書き方〕
ご指摘の深夜労働の割増賃金につきましては従業員と協議の上、平成○年2月までさかのぼって不足額を計算し、5月30日全員に支払いました。賃金台帳と領収書の写しを添付します。 |


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