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●是正勧告の事例
安全管理者を選任していない。
●是正勧告・事例の詳細
A社の東京本店では60名の労働者を使用し、貨物運送業を行っている。労働災害の多い業種だが、安全に関わる事項について管理する者がいなかった。このたび労働基準監督署の調査で「安全管理者」を選任していないことが指摘され、是正勧告が出された。
●是正勧告書の内容
| 法条項等 |
違反事項 |
是正期日 |
労働安全衛生法
第11条 |
常時50人以上の労働者を使用する運送業の事業場であるにもかかわらず、安全管理者を選任していないこと。
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○・6・11 |
●なぜ是正勧告を受けたのか?
労働安全衛生法では労働災害の多い一定の業種については、「安全管理者」を選任し、安全に係る技術的事項を管理させなければならないとしています。一定の業種とは以下の表で示した業種のことで、かつ常時50人以上の労働者を使用する事業場が対象となります。(以下の業種でも労働者が50人未満の事業場については安全管理者を選任する義務はありません)
| 事業の種類 |
規模 |
| 林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業 |
常時50人以上の労働者を使用 |
| 製造業(物の加工業含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、自動車整備業、機械修理業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業 |
安全管理者は安全に係る技術的事項を管理できるよう一定の資格が必要です。労働安全衛生法が定める資格要件とは、以下の通りです。
1.大学または高等専門学校における理科系統の正規の課程を修めて卒業
した者で、その後3年以上産業安全の実務に従事した経験を有する者
2.高等学校または中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒
業した者で、その後5年以上産業安全の実務に従事した経験を有する者
3.労働安全コンサルタントの資格を有する者
4.その他、厚生労働大臣が定める者
また安全管理者は、その事業場に「専属」の者を選ばなければなりません。「専属」の者とは、簡単にいえば、その事業場で働く従業員から選ぶということで、外の人間を安全管理者として選任することは原則認められないということです。
さらに労働安全衛生法では業種や労働者の人数によって、安全管理者のうち1人を「専任」の安全管理者としなければならないとしています。「専任」とは、その事業場の従業員で、かつ安全管理者の職務をおもな仕事としている者をいいます。
「専任」の安全管理者を選ばなければならない事業場とは、以下の表に示した事業場とされています。
| 事業の種類 |
規模 |
建設業
有機化学工業製品製造業
石油製品製造業 |
常時300人以上の労働者を使用 |
無機化学工業製品製造業
化学肥料製造業
道路貨物運送業
港湾運送業
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常時500人以上の労働者を使用 |
紙・パルプ製造業
鉄鋼業
造船業 |
常時1000人以上の労働者を使用 |
| その他の業種 |
常時2000人以上の労働者を使用 |
なお規模を判断するさいの労働者数とは、日雇労働者、パート労働者等も含めて常態として使用している人数のことをいいます。
是正勧告への対処法としては、まず所定の様式(様式第3号)に、選任した安全管理者の氏名、選任年月日、生年月日、担当すべき職務、経歴などを記入して労働基準監督署長に提出します。その上で、安全管理者を選任した旨を是正報告書に書き込み、労働基準監督署に提出すればいいでしょう。
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●是正報告書の書き方
是正勧告の指摘箇所
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是正報告書の記載例 |
〔安全管理者を選任していない〕
常時50人以上の労働者を使用する運送業の事業場であるにもかかわらず、安全管理者を選任していないこと。 |
〔是正報告書の書き方〕
安全管理者につきましては、6月1日付で当事業場の課長山本太郎を選任し、同日所轄労働基準監督署長に報告書を提出しました。報告書の写しを添付します。 |


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